年金 シニアコラム
2024年 4月 03日年金は、好むと好まないとに関わらず保険料を納める義務があり、若い時には有難味の無いもの
ですが、日本においては老後の生活を考える時の柱、または一助になります。
国民年金には20歳から60歳未満の全国民が加入し、厚生年金は会社員や公務員が国民年金の上
乗せとして加入します。(国民年金が一階、厚生年金が二階部分と二階建て建物で説明されます)
この二つの年金が公的年金と言われ、日本年金機構が運営し、加入が義務付けられています。
その他の年金と呼ばれるものに、個人年金や確定拠出年金があり、私的年金と言われます。
自助努力で三階部分を建てるものですが、取りあえずこの三階部分は話しの外に置き、
公的年金に話を集中します。
年金の加入者を被保険者と呼び、第一号から第三号までの三種類があります。
加入資格と、概算の保険金額を列記します。
①第一号被保険者は、農業・漁業ほかの自営業、商店主、学生や無職の人などが加入し、
毎月17,000円弱程度の定額を納付し月額68,000円程度を受け取ります。
②第二号は会社員や公務員が加入し、毎月の給与から天引きされます。保険料は給与の18.3%
で、本人と勤務先がそれぞれ9.15%ずつ負担します。給与や報酬が増えると保険料も増え、
月平均で160,000円台(2024年度)の受取になります。
③第三号が第二号被保険者に扶養されている主婦(夫)です。自分で保険料を納めることは
ありません。第二号被保険者全体でその分を負担しているからです。
国民年金に加入していて、保険料の支払いが無理になった場合は、「国民年金保険料免除・納付
猶予制度」の手続きを行う事ができます。
単に支払いを止めて、老後に無年金者となるよりは、年金の受給資格期間に算入されるなど
があって有利です。また、保険料を後納するなどして受給する年金を増やせることもあります。
手続きは、市区町村役場の国民年金窓口か近くの年金事務所です。相談するとよいでしょう。
将来的に年金制度が変わるとしたら、保険料負担と、第三号被保険者の扱いについてだと思われます。
特に、第三号被保険者は、保険料を支払っていないのに年金を受け取れるのが不公平だ、
という点で被保険者同士が分断されやすいのですが、第三号被保険者の前提が、
「二号被保険者全体でその分を負担」である以上、制度設計を行った国会や政府がその責任を
負うべきものです。「現役世代の人口減少が急激すぎて、予想を超えていた」とかの理由付けが
されるのでしょうが、制度変更がされる場合、国会議員や政府が自らの責任を明確にし、
具体的な何らかの措置をするべきでしょう。
一時、「消えた年金」問題が騒がれました。自分には関係のない事だと思っていましたが、
実際には関係がありました。
昭和48年から翌年の1年間、厚生年金に加入していないことになっていました。勤務先が
変わっていたのは確かでしたがどこへ勤めていたのかを思い出せませんでした。
それが(年金事務所からだったと思いますが)何度目かの電話で「それらしいところが
見つかった」との連絡があり、記憶を辿って、目出たく加入期間の回復ができました。
この時は、よくやってくれたと、非常にうれしかった覚えがあります。
問題を自分の事として、誠実に実行している人は、どこの組織にもいるのだと思いました。
(筆者は「コーポ」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)